変化する林業 5
「基本法」林政の具体的な政策手段は、林道の拡充、機械の導入、施設の増設など生産手段の「高度化」でした。
これらを通じて、林業経営の「近代化」・「合理化」をはかって生産性を高め、他方薪炭生産崩壊によって排出、滞留する低賃金労働力を、「高度成長」を担った重化学工業や土建産業などの必要な労働力の給源とさせ、他方、これらの低賃金労働者を森林組合の「労務斑」に編成。
森林組合「協業」を拡大することとして進められました。
「基本法」林政の柱軸となっている「林業構造改善事業」は、1965年から実施されました。
これを事業種目別にみると、林道の開設費が全体の6割、集材機、チェンソー、刈払機など森林組合に対する資本装備高度化事業費が全体の2割5分を占めているのに、分収造林の促進、林地の集団化など、個別経営の基盤の充実にかかわる事業費はわずか2%にすぎませんでした。
このことに、「基本法」林政の性格が端的に示されています。石塚孝一氏によると、こうして進められた「基本法」林政の帰結は、当時国内資源依存の強かった紙パルプ資本への低材価による供給拡大のため、国有林の乱増伐、里山地帯の旧薪炭林の伐採量の拡大、「大規模林業圏開発事業」による奥地広葉樹材生産の拡大。
そして、これらは逆に森林の荒廃、自然破壊をもたらしたのです。